矢吹歯科

保険と自費

保険と自費の違いを考える


東京都足立区(亀有・北綾瀬・綾瀬・東和・大谷田)の歯科医院 歯医者の矢吹歯科の保険と自費に対する考え方は、クチコミ等により高い評価を受け、葛飾区 江戸川区 北区からの患者さんにも支持されています

保険と自費の違いを考える
歯科の治療は、保険が利くものと保険が利かないもの(自費のもの)がありますが・・・
それは、何が違うのでしょう。
昔からよく言われてきたのは「材料が違います」と言うことばです。
当然ですが前提には保険診療報酬の点数で定められているものが、保険適用の材料であり、それ以外の歯科材料は自費となる。
と言うことですので「材料が違う」と言うのは正しい表現です。
でもそれが私が皆さんに伝えたい事なのか?
また患者さんが求めている答えなのでしょうか?

自費の物は出来上がりが違います?
自費の物は「持ち」や「フィット感」が違ます?
まあ、それらも正しいと思います。
しかし・・・私としては?

伝える視点が異なる様にも感じます。
ウゥムゥ・・・。

上手く表現が出来ませんが・・・長いし・・・でも伝えたい事が有るので読んでくださいネ!

・保険と自費の違いに対する説明の経緯

過去の状況的に、説明する(Dr)側が「義経が五条の橋の上を飛び回る」状態で院内を飛び回り時間が無かったので「材料が違います!」で終わらせていた。
それではダメだと、一歩踏み込んで「その材料の違いがフィット感の差であり、その差によって持ちが違います」となった。
しかし、そこでもまたまた短縮され「持ち」が違ます、とか「フィット感」が違ます、だけになってしまった。
しかも、そんな時代が長く続いた為、ある意味でそれらの説明が医側も患者さん側でも定着してしまった。

そんな状態だったのではないでしょうか。
それを受け継ぐ歯医者の私には、「違和感」が残った。
それだけの話なのですがね。

・保険材料と自費材料の違い

さて、私が知る実体験で「オッ保険と自費は違うね!」っと感じるケースを述べます。
材料的にセラミック等は、表面に細菌が付着し難い性質を持ってる事は一般にも知られています。
そのセラミックを使用したカブセ物で治療した場合、当然、歯肉と接する境目が存在しますが、その場所はセラミックの性質の為に細菌が付着し難い状況になります。

一方、保険で使用するプラスチックは逆に細菌が附着し易い性質なので、同じ様にカブセ物として治療をした場合、今度は逆に、歯肉と接する境目に細菌が付着し易い状況になります。

その結果、セラミックのカブセ物周囲の歯肉はなんとも無いのに対し、保険のプラスチックのカブセ物周囲の歯肉では「歯肉炎」や「歯周病(ノウロウ)」になってしまっている。

これが保険と自費の異なる一例だと感じています。

実際に黄色い〇の歯が保険のカブセ物です。

歯肉の部分を隣と比較してください、赤みが強くありませんか?
カブセ物の『ために』歯肉炎を発症して歯周病(ノウロウ)の入り口を入ってしまっています。
困った事ですね。

同じように、保険では「質実剛健」な材料で『丈夫で長持ち』を狙って「官・患」共に医療費削減??をしたいのでしょうが・・・
さてさて歯に「質実剛健」ですかぁ・・・

ある症例の「丈夫で長持ち」を別角度から見てみましょう。

さてその別角度の切り口になる質問です。
歯が機能するとはどんな時でしょう?
「見た目」!!
正解ですが、やはり王道は『噛む』時でしょう。

そこでさらに、「噛む」と言う時はどんな時でしょう?

「しょうもない質問するなょ!」って、まぁまぁそう言わず・・・

かむ時は「食べる時」!
正解です。
これには異論が無いでしょう。
さらに「ガマンしている時」!
そんな時もあります、まぁ、噛むと言うより「歯を食いしばる」と表現すればよいのかな?
授業中に頬杖姿勢で居る時、そんな時も「噛」んでますよね?
何か考え事をしている時、この時も「噛む」人が居ますよね。
考えなくてもボーっとしている時も噛んでいる時があります。
何か落ちてないかなって、下を向いて歩いている時も、何かを飲み込む時も上下の歯が接触しませんか?
いろんな時に上下の歯がぶつかり、力が入ったりしている訳です・・・

そこで、本題の実例ですが。
下アゴの歯に保険で「質実剛健」なカブセ物が有った場合で、対抗する上アゴの天然歯が『疲労破折』なんて事例が存在します。

現実に私が遭遇したケースは、「力仕事をしたら歯が割れてしまった」と来院した方で、自分の歯が割れて抜く状態なのに対合する保険の歯は「質実剛健」で無傷で生き延びているケースがあります。

また、転んで顎(頬杖をつく場所)を打ったケースでも奥歯の保険の人工的な歯は生き延びたが対合する大切な自分の歯が割れて抜く事になってしまったケース。
このように「質実剛健」が悪いとまでは言いませんが「何を守るべき」なのかを考えた時に「保険と自費の違い」を感じます。

・一般の世界では、トラブル時には、生体を安全な方向へ回避させる(パッシブセーフティの)考えが当たり前

「何を守るべき」なのか、この考え方として一番有名なのは、レースカー等の『車』の世界です。
万が一の時に車を壊す(変形させる)事によって、乗っている「人間」を保護する考え方「パッシブセーフティ」です。

また、飛行機等も或る意味では同じで、「人造物」は必ず壊れる、と言う事を前提に作られていて万が一に壊れても「ノーコントロール」にはならないようにコントロール系統を複数(レプリケーション)用意し別々の場所に存在させている。
そんな『フォールトトレラント性』を持たせる工夫がされてますが、しかし、現在の保険の材料は「質実剛健」なのです。

・日本の歯科の世界に『パッシブセーフティ』の概念で、人体保護を持たせた医療を
さて、先に出した事例で転んで顎(頬杖をつく場所)を打ったケースの方が、もし質実剛健の保険ではなく自費のセラミックだったら自分の歯が破折する前にセラミック側が崩壊して、自分の歯は守れたと思います。

力仕事で喰いしばって、自分の歯を割った方も同じでしょう。
ある意味では「人造の物(人工歯)」は何度でも作り直しが出来ますが、天然物(天然歯)が崩壊すると取り返しがつきません。
歯科として「何を守るべき」なのでしょう。

・口の中に入れて為害性(有害性)

上記の歯が割れて抜く状態は特殊なケースだったのかもしれません、しかし、人工物が体内(口の中)に入った為に、その周囲が炎症を起こすような事はどうでしょうか?

現在、保険の前歯などはプラスチックで作られますが、プラスチックは細菌を附着させ易い事は先に書いてます。
その為に、先の写真(黄色い〇印のある歯の写真)から判るように保険のカブセを入れた歯肉に炎症が起こる事は、否定し切れない事実です。
(ブラッシングで或る程度の抑制は出来ます)

「質実剛健で丈夫で長持ち」しかも「安い」その事自体は良いと思います。
しかし、全ての場合では有りませんが自分の体内に入れる事で有害を示されては困りますよね。

さらに別の物として・・・次のケースです。

・歯の治療材料は適材適所で・・・

ある程度のやわらかさ?伸びがある金属・・・例えば純金の箔とか。
それを歯の穴(ムシバ治療のために掘られた穴)に詰めると言うことは、周りを硬い歯質に囲まれた環境で、天井から噛み合う度にギュウギュウと圧縮の力が掛かる。
結果的に周りの歯質に圧着されて虫歯菌の進入を許さない密着状態になり「つめた後に虫歯にならない」治療が出来る。
この事は、歯科医師なら誰でも納得している事ですが、患者さんは知らないことです。

まっ、24Kの純金までは行かなくてもはめ込むタイプの詰め物なら22K・20Kとか、カブセ物なら20K・18K・・・とか、これらは口の外での製作時に細工がしやすい為に、製作物の適合性が良く口の中では「ピッタリ」していて虫歯菌が入り難い。
そんな性質を持っている材料ですし、何よりも歯科においては「歴史的にも第一人者?」的性質として、酸性だったりアルカリだったりと過酷な口の中の環境にも長期的に安定した優れた材料なのです。
この事柄が、ピッタリしている為に細菌が入り難く長期に安定して、対合する歯にも柔らかく有害に成り難い良い材料と言われる部分です。

ただし金属ですから見た目からは・・・
いくら「ピッタリしていますよ」って言われても、さだまさしの『雨やどり』の歌詞みたいに・・・
ニッって笑ったらキラリン!それでは困りますよね。
だから、適材適所が必需となります。。

・歯科から見る金属アレルギー

さらに別の材料を、むし歯とは別の切り口から見てみましょうか?
例えば「金属アレルギー」などはどうでしようか?
ヨーロッパでは「怪しい?」「疑わしい」「安全性が証明できない」と言う事で『人体』に使用禁止になってるアマルガム材料でも、国が違えば日本のように「未だ問題が発生していない」、或いは「有害の証明がされてない」ので『人体』に使用可となっている材料もあります。
ヨーロッパと、或る意味でそれ以上に"先進国"と言われる日本、各国の中に存在するのは同じ「人間」同じ『人体』だと思うのですが・・・
(平成28年度から日本でも保険から削除されました。)

・当医院での安心
その歯科用アマルガムに関しては、私個人として私の家族・親族には「絶対?」に使用したくないので、当院で治療する患者さんにも使用していません。

が、その代用材料として、細菌が繁殖しやすいけど金属アレルギーとは疎遠の保険のプラスチック材料か、あるいは細菌やアレルギーの両者ともに疎遠の自費セラミック系にするのか、あるいは保険のそこそこ質実剛健メタルか・・・

具体的に言うと・・・
財布は患者さんの所有なので、統一の答えは有りません・・・。

どうですか?
もう一度、文頭に書いた事を書きます。
=====以下再記=====
歯科の治療は、保険が利くものと保険が利かないもの(自費のもの)があります。
それは、何が違うのでしょう。
昔からよく言われてきたのは「材料が違います」と言うことばです。
当然ですが前提には保険診療報酬の点数で定められているものが、保険適用の材料であり、それ以外の歯科材料は自費となる。
と言うことですので「材料が違う」と言うのは正しい表現です。
でもそれが私が皆さんに伝えたい事なのか?
また患者さんが求めている答えなのでしょうか?
自費の物は出来上がりが違います?
自費の物は「持ち」や「フィット感」が違ます?
まあ、それらも正しいと思います。
しかし・・・私としては?
伝える視点が異なる様にも感じます。
=====以上再記=====


保険と自費の違い
一言でそれを示すのは難しいです。
しかし、一つだけ絶対的で、確実にいえる事は・・・
保険と自費の違いとは「治療をするその先生を、人間としてある程度以上に信頼出来るのか出来ないか、出来た上で自分のケースを相談が出来るのかの違い」と言うこと。
これは言えると思います。
そして、その違いから生み出される「患者さん自身の将来」の結果が当然違うような気がします。

どうぞ、気楽に相談ください。


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